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2017年7月22日(土)午後2時より銀座王子ホールにて小川明子アルトリサイタルを開催いたします。
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    2017サロンコンチラシ

    演奏曲目と解説を以下に事前に公開します。

    なやましき晩夏の日に1925(北原白秋)

    芭蕉1925(北原白秋)

    垣の壊れ1925Autamun(北原白秋)

    薊の花1928(北原白秋)

    牡丹1925(北原白秋)

    城ヶ島の雨1928,2,11(北原白秋)

     

    斑猫1928(深尾須磨子)

    黴1928(深尾須磨子)

    舞1929(深尾須磨子)

     

    休憩

     

    旅役者1929(北原白秋)

    百姓歌1929(北原白秋)

    田植え歌1929(林柳波)

    富士山見たら1929(久保田宵二)

    親芋小芋1929,9(浜田広介)

     

    うすらあかりに1924(作詞者不詳)

    大君に1938.9/8Tokyo(片岸芳久美)

    母の歌1937(板谷節子)

    お六娘1929(林柳波)

     

     

    橋本國彦の歌曲を歌う

     

     20世紀生まれの作曲家,橋本國彦(1904-1949)は,瀧廉太郎(1879-1903)や山田耕筰(1886-1965),信時潔(1887-1965)らの,次の世代にあたる作曲家です。器楽曲や管弦楽曲も残した橋本ですが,彼にとって最も重要なジャンルは歌曲でした。西洋クラシック音楽=当時の現代音楽の動向のみならず,社会の流行にも敏感だった彼は,芸術歌曲のみならず,民謡風の曲や,当時我が国で放送が始まったラジオのための歌,そして戦時歌謡まで変貌自在にその才能を駆使しました。本日は,そんな彼の代表的な歌曲を中心に,珍しい曲や戦争へと向かいつつあった時代が感じられるような作品も取り上げたいと思います。

     

    『なやましき晩夏の日に』以下6曲

     最初に演奏するのは,北原白秋の詩による歌曲です。1曲目の『なやましき晩夏の日に』こそ,洋楽風のしつらえですが,残りはヨナ抜き音階(完全ではありませんが)による,小唄風な曲を集めてみました。昭和の半ばまでは邦楽の伝統も根強く,小唄や都々逸なども人々の間でよく歌われ,聴かれていました。『薊の花』,『牡丹』などはピアノ伴奏による,さしずめ「洋風小唄」といったところでしょうか。なお「城ヶ島の雨」は,原曲にあったフルートのオブリガートをピアノに取り込んで,いわば「編曲版」として演奏いたします。

     

    『斑猫』,『黴』,『舞』

     深尾須磨子1888-1974の詩による三大歌曲。いずれもエキゾチック,あるいはグロテスクなイメージを喚起させる奇抜な作品です。とくに,歌舞伎俳優六代目菊五郎の踊る『娘道成寺』の公演に接し,その感動を歌ったという『舞』は,それまでのゆったりした日本歌曲のリズムに,当時新しかったシュプレッヒシュティンメ(しゃべり声)の技法を取り入れた実験的作品として,作曲家の名を高めた名曲です。いずれも豪華絢爛たるピアニスティックな伴奏がつけられているのも特徴です。

     

    『旅役者』以下5曲

     演奏会冒頭にご紹介した白秋の歌もそうですが,大正から昭和初期,多くの作曲家によって,さかんに作られたのが「新民謡」と呼ばれるジャンルでした。ここでは,第1ステージのしっとりした曲とは打って変わった,ユーモラスで,より野鄙な味わいの曲をお聞きいただきます。

     

    『うすらあかりに』以下4曲

     先ず演奏するのが,1924年に作曲された最初期の歌曲です。作曲科のまだなかった東京音楽学校にヴァイオリンで入学したものの,作曲はほぼ独学だった橋本による野心作といえるでしょう。時代は下って1937年の盧溝橋事件に始まる日中戦争以後,全国から軍馬供出として馬が集められました。天皇陛下に愛馬を差し出す,その気持ちを歌った『大君に』(1938)。『母の歌』には現在市販の楽譜からは消されていますが「…今に君が代歌うわね」という3番の歌詞がありました。そして本日最後にお届けするのが『お六娘』(1929)。落語のようなストーリーに,ベベンベンベンベン…まるで浪花節の三味線のようなピアノ伴奏が楽しい,かつて「我らがテノール」藤原義江が得意としていた名曲です。

    | - | 07:47 | - | - | pookmark |